こんにちは!元ラップスクール講師の剣心(ケンシン)、SY(エスワイ)です。
ラップを始めると、「サンプリング」という言葉をよく聞きませんか?
僕がラップを始めた時、意味もわからなければ、どのように使うかも分かりませんでした。
しかし、ラップ仲間が実践して教えてくれるうちに、意味や使い方を覚えることができました。
自分の楽曲内でサンプリングをして、周りから「あのサンプリング、良かったよ」と言われるまでになったのです。
そこで今回は、初心者の皆さんの為にラップ楽曲におけるサンプリングの使い方のコツをご紹介しようと思います。
もくじ
ラップのサンプリングとは
HIPHOPにおけるサンプリングとは、主に作曲や作詞をする際に用いられる手法です。
作曲においては、元々ある曲の一部分を抜き取り、加工したりして全く新しい曲にしてしまうという作曲法です。
作詞においては、ラッパーが既に発表された曲の歌詞の一部分を抜き出して、自分の歌詞に使ったりすることを言います。
今回はラップのサンプリングなので、後者の方の利点やコツをご紹介していきます。
ラップ楽曲におけるサンプリングの効果
まず大きく分けてふたつ利点があります。
①有名なフレーズを自分のラップに取り入れることができる。
②元曲の持つ雰囲気を持ち込み、曲の印象を付けやすい。
①の影響で、初めてそのラップを聴く人でも、心地よく聞こえます。そして、ライブなどで盛り上がりやすいです。
次に②です。もしあなたがラブソングを書きたいと思った時、理想とするラブソングからフレーズをサンプリングしてみてください。
聴き手は「あの曲のように聴かせたいのか」と無意識に感じ取ります。
サンプリング・ラップのコツ
今度は実際に例を見ながら、サンプリングのコツを紹介したいと思います。
まずは「大胆に思い切って」これが大事です。
なるべくそのまま使ってしまおう。ということです。
パクりと言われるんじゃない?と思うかもしれません。しかし、逆にバレないように中途半端に引用した場合の方が、批判されます。
ハッキリと、誰が聴いてもわかるように使うと、オマージュ(敬意)として取られます。
有名フレーズを堂々と使えるどころか、元の曲へのリスペクト(尊敬)も表すことができる、
一石二鳥のテクニックなのです。
フレーズ少し変えてサンプリングしてみる。
有名なフレーズを例に、説明したいと思います。
『俺は東京生まれHIPHOP育ち 悪そうなやつは大体友達』
このフレーズは dragon ash (ドラゴンアッシュ)feat.Aco(アコ),zeebra(ジブラ)の「grateful days(グレートフルデイズ)」という曲のジブラのラップの一節です。
知っている方も多いんじゃないでしょうか。
ここで一つ覚えてほしいのが、フレーズを自分に置き換える、ということです。
例えば、
俺は熊本生まれ さつま揚げ育ち
海の幸とは大体友達
自分の生い立ちをリアルに表現する歌詞になりました。でも、サンプリングだということは伝わりますよね。あなたも是非やってみてください。リリック(歌詞)を書く時の楽しみにもなると思います。
冒頭でいきなりサンプリングのラップをする。
次に紹介するテクニックは、ラップの冒頭でいきなりサンプリングする、という技です。
これにより、2つ利点があります。
①冒頭からいきなり聴き手の興味を引きつけることができる
②作詞で困った時に役立つ
この2つです。
例を見てみましょう。僕が「スニーカー」をテーマに歌詞を書いた時の冒頭部分です。
can I kick it?(yes you can!)
new kicksでテンションも上がり気味
前半部分はアメリカのラップグループ、A tribe called quest(ア トライブ コールド クエスト)の「can I kick it?」からのサンプリングです。
ラップの世界では、ラップすることを「verse(バース、歌詞の意味)をキックする」ということがあります。
スニーカーがテーマの曲で「キック=蹴る」という表現をすると面白い、と思いサンプリングしました。
最初のフレーズ、”can I kick it” (母音a a i i i)と母音を合わせられる日本語を探して
→上がり気味(a a i i i)と、どんどん歌詞も書き進めることができました。
ちなみに、この「can I kick it?」は実際僕の大好きなラッパーがサンプリングしていて、オリジナルの曲にたどり着きました。
「このフレーズみんな言ってるな」「なんでいきなり英語??」疑問に思ったら調べてみると、元曲へ辿り着けると思います。
サンプリングをする時は、必ず元の元の音源まで調べていくのが大事です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事でお話しした通り、誰もが知るカッコいいフレーズだったり、自分の今の状況にピッタリ当てはまるフレーズをサンプリングしてみてください。
聴いている人も「おっ」っと顔を上げてくれるに違いありません。
また、自分のラップにもバリエーションが増えるでしょう。是非お試しください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。