ラップの上達法

日本のラップ界で起きたビーフ

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こんにちは。元ラップスクール講師・ラッパーの剣心(ケンシン)、SY(エスワイ)です。

ラップをしているとビーフ(喧嘩)という言葉をよく聞きます。では、ビーフとはどのような現象なのでしょうか?

私がラップを始めた時、仲間たちが実際起こったビーフについて語っているのに話に入れず、恥ずかしい思いをしました。

しかし、そんな私にラップスクールの先生方が分かりやすく実際に起こったビーフについての講義をしてくれました。

その講義を受けたことで、今では自分が仲間へ教えるまでになりました。
そこで今回は、ラップ初心者の方に、実際に起こった日本語ラップ界のビーフについて代表的なものを紹介したいと思います。

TERIYAKI BEEF(テリヤキビーフ)

まず最初にご紹介するのが、SEEDA(シーダ)、そしてOKI (オキ)というラッパーが、四人組のラップグループ「TERIYAKI BOYZ(テリヤキボーイズ)」に向けて仕掛けたビーフです。

きっかけは、TERIYAKI BOYZの曲にSEEDAとOKIの曲の一節が引用されていたのを、それを聴いた2人がディスされたと思い激怒したことが始まりでした。

2人が放ったディス曲はその名も「TERIYAKI BEEF」。アンダーグラウンドで人気の2人からの、スーパーグループへのディスはHIPHOPファンの心を熱くさせました。

ビーフを受けたTERIYAKI BOYZのメンバーVERBAL(バーバル)は自身のラジオへSEEDAを招き、話し合う展開になりました。

その際、SEEDAは「曲で返してくれればファン達も盛り上がったはずだ」と回答。

一方VERBALは、「HIPHOPを知らない人からすればビーフは意味不明で、ファンを置いていってしまう」とし、双方の意見はすれ違ったままこのビーフは落ち着いていきました。

が、結果的にこのビーフでSEEDAは知名度を上げることに成功しました。

KREVA (クレバ)vs MACCHO(マッチョ)〜楽曲による「アンサー」〜

ディス曲に対するアンサーソングの攻防もビーフの魅力です。
ここでは、KREVA(クレバ)と、オジロザウルスというグループのラッパー、MACCHO(マッチョ)のビーフの一部を紹介したいと思います。

Disrespect 4 u – OZROSAURUS

(MACCHOからKREVAへのディス)
「ガキだまくらかす糞エリート サビの歌メロでヘタレヒット」

On and on – OZROSAURUS
「でも俺は俺だけさ 常忘れねー 人は人 それはそれ」

↓KREVAアンサー

THE SHOW KREVA

「人は人 俺は俺 やいのやいのいう前によこしなbeat beat」 ←On and on の俺は俺 人は人のサンプリング(引用)

このように曲によるアンサーを繰り返していき、ビーフは盛り上がっていきます。相手の言葉を上手く拾って、アンサーを返していきます。

日本初、SNS上で巻き起こったBEEF

最後に、日本初のインターネット上でのビーフをご紹介します。
それはK DUB SHINE(ケーダブシャイン)とDEV LARGE(デブラージ)というラッパー同士のビーフでした。
2004年。DEV LARGEがインターネット上にK DUB SHINEへの痛烈なDisソングを発表ししました。

そのわずか10日後、K DUB SHINEもネット上にアンサーを返します。
さらになんとその2日後にDEV LARGEはアンサーを返します。
ネットならではのスピード感でリスナーは2人から目が離せない展開となりました。

事の経緯はK DUB SHINEが、DEV LARGEをはじめとするバイリンガル・ラップをするラッパーを雑誌のインタビューで痛烈に批判したことが始まりでした。

そして、結果的にはK DUB SHINEが受けたディスを宣伝に利用し、直後発売されたアルバムの売り上げを伸ばすことに成功。だんだんとビーフも収束していきました。

なお、2人とも数年後和解しています。実はお互いを認め合っていたり、売名目的であったりするケースが多いです。関わり合うメリットを感じるからこそビーフを仕掛けると言っても過言ではないでしょう。

まとめ

ここまでご紹介したように、ビーフは聴衆を楽しませるものであり、またHIPHOPの歴史を知る上でも重要な現象です。

この記事で紹介したビーフは歴史上たくさんあるビーフの中でほんの一部のものです。

しかし、ここで紹介したビーフに興味を持ち、曲を聴いてもらえばそこから色々な知識がさらに広がっていきます。
そうなれば、あなたもラップを始めたばかりの友人から、「実際あったビーフを教えて」と聞かれる日は遠くないでしょう。

ぜひとも色々あるビーフの中から好きなビーフを見つけてください。HIPHOPがもっと楽しくなるはずです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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